シンエヴァ見てきた!感想

シンエヴァンゲリオンを公開初日に見てきました!

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この興奮を忘れないうちにネタバレを一切せずに書きたいところ......なのですが、「よかった」「悪かった」だけでもネタバレになってしまいそうなので、完全にネタバレしないことは無理ですが、極力内容への言及を避けて書こうと思います。

 

私は午前中に見に行ったのですが、映画館はほぼ満席。平日なのに......期待度がすごいです。

 

私がシンジ君たちと同じくらいの年齢のときにはじめて見て以来、10年近く待ちわびたエヴァ、そして私がアニメにはまるきっかけをつくってくれたエヴァ......この作品の最後を後悔のないように楽しんで見ました。

 

今回は特に考察とか細部に注目したりとかをせずに素直な気持ちで全編を見ました。上映時間が長いと言われていますが、私にはあっという間に感じられました。

 

上映終了後には会場から自然と拍手が沸き起こりました。おそらくどんな形のラストであってもエヴァファンは受け入れたでしょうが、本当に終わってしまったことへの安堵と寂しさと、最後を見られたことのうれしさ、制作陣への感謝、一つの時代が終わってやっとneon genesisが始まったというような感慨深さが拍手になったのでしょう。私ももちろん感謝の拍手を送りました。

 

今はとにかく喪失感がすごいです。もう彼らの活躍を、大迫力の戦闘シーンを、日常生活を見られないのかと思うと悲しいです。

 

帰ってから、細かい感想や考察を忘れないように他のところにメモしておきました。

 

エヴァは解釈が毎回難しいですが、今回は私は全体の7割くらいは理解できたと思います(いつもは5割以下)。これから見る方は今までの作品を見てから映画館に行くことをおすすめします。

 

この余韻は1週間くらい続きそうです。ともかく最後を見届けることができてよかったです。素晴らしい作品をありがとう。

「あつ森」世界ではなぜインフレが発生しないのか Part.2

前回の続きです。

 

kyshami.hatenablog.com

前回から投稿の間が空いたのは、貨幣に関する本を読んで参考にしようと思ったのですが、それを読むのに時間がかかったためです。

 

住民の貨幣観念

前回に確認した通り、無人島に住む住民たちは貨幣に対しては他の商品とは異なる感情を抱いていることが分かる。プレイヤーが贈与しようとしても唯一受け取ってくれないのが貨幣だからだ。この事実は住民たちが貨幣の価値を信用していないことを意味するものではない。なぜなら、筆者の島の住民であるシドニーの「実は、大好きな本の 新刊が出たんですけど 少しだけ お金が足りなくって まだ 買えてないんですよね・・・」「いらないものが 4つほどあるので それを売って 足しにしようと思うんですけど 何か買っていただけませんか?」という台詞から分かるように、おそらくはたぬき商店で売られているであろう商品を買うために貨幣を手に入れようとしているからだ。これは貨幣の価値を理解しているからこその言動だろう。

 

つまり、住民たちはプレイヤーとの交換の際には貨幣を使用せず、島内の商業施設を利用する際には貨幣を使用するのだろう。貨幣は一般的に物々交換を円滑に進ませるための道具としての役割があると考えられているが、「はじめに」でも確認したとおりゲーム内の全ての登場人物は必ずしも経済活動をする必要性がないことから、住民は基本的には物々交換で事足りる。それ故、プレイヤーとは主に物々交換を行い、どうしても欲しいものがあるときは貨幣をもって商業施設で購入するということだ。

 

以上をまとめると、住民間での貨幣の価値は0に等しく貨幣がない世界であり、ただたぬき商店などの商業施設との間でのみ貨幣の価値が発生しており、そこだけが貨幣のある世界になっているということできる。

 

貨幣系譜論

それでは、このように限定的にしか価値をもたない貨幣が流通できている理由は何だろうか。つまり、貨幣に価値を与え、保証しているのは何かということである。

 

この問題については古来より「貨幣法制説」と「貨幣商品説」の対立する二つの説がある。現実世界の貨幣について考えているこの二つの説を「あつ森」世界に当てはめて考えよう。

 

まず「貨幣法制説」を否定する。これは要約すると貨幣の価値は法律などによって決められたという説だが、「あつ森」世界にはおそらく法律がない。そもそも立法機関がなく、違反したとしてもそれを裁くための司法機関がない。権力によって価値を定められてはいないので、「貨幣法制説」は成り立たない。

 

次に特定の商品が貨幣に選ばれていったという「貨幣商品説」だが、これについては断言できない。なぜなら、「あつ森」世界の歴史を知ることができないからだ。「あつ森」世界における古代(今の世界を一応現代と考えよう)では何が今の貨幣の役割を果たしていたのか分からない。最初は金鉱石そのものが貨幣として使われていたのが、そのうち量や形が規定された刻印のある今の形になったのならば、商品説も成り立つ余地があるが、古代より一貫して今の形の貨幣が流通していた可能性もあるので、断言は出来ないだろう。

 

では、なぜ住民たちは今の貨幣に価値があると考え使用しているのか。それはたぬき商店やエイブルシスターズといった商業施設では貨幣のみが商品と交換するために使用できるからに他ならない。特定の商品が欲しいと思った時には、商業施設に貨幣をもっていく必要がある。貨幣以外では商品を売ってくれないからである。上で確認した通り、住民間では物々交換が基本なので、貨幣が必要となるのは商業施設が主である。そして商業施設のどうぶつたちは貨幣を受け取って商品を売ってくれるだろうという信頼が、住民たちに所持品を売らせ、貨幣を求めさせ、それによって貨幣が流通する。商業施設が求めるものが例えば鉄鉱石であれば、今の貨幣の代わりに鉄鉱石が流通し、その後は鉄鉱石が貨幣の役割を果たすようになって今の貨幣は消えるだろう。商業施設の動物たちヘの信頼が貨幣に価値を与えていると言える。

 

そうすると次の疑問が出てくる。なぜ商業施設のまめきちつぶきちなどのどうぶつたちは貨幣を受け取ってくれるのだろうか。

 

この理由も、島外のどうぶつが受け取ってくれるからだろうと一応は予想できる。前回にも確認した通り、たぬき商店やエイブルシスターズは島外から商品を輸出入していると思われる。その際に物々交換ではあの種類の商品を仕入れることはできないだろうから、おそらくは貨幣を使って島外の貿易会社と商品のやりとりをしているのだろう。その際に島内と同じ貨幣を使用できる、もしくは他の種類の貨幣と交換した上で使用できるために、島内住民の貨幣を受け取ってくれると言える。ここで島外にどれほど島内と同じ貨幣が流通しているのかを考えると、ドードーエアラインズで離島に行った際に、石をたたくと島内と同じ貨幣が出てくることから、ある程度島外にも同じ種類の貨幣が流通しているのではないかと推測できる。

 

 

さて、再び字数が多くなってしまったのでここで一旦区切り、Part.3は次回に回そうと思う。そこでは価格決定の方法や需要と供給について考えたい。

「あつ森」世界ではなぜインフレが発生しないのか

はじめに

2020年3月に発売され、大ヒットした「あつまれ!どうぶつの森」(以下、あつ森)。発売からもうすぐ一年経つが、その人気は衰えていない。

 

この作品の一番の魅力は現実とは異なる世界で自由気ままに生活ができるという点だろう。

 

現実と同じ時間が流れ季節が変化していくが、そこは確実に今いる世界とは異なる。その世界に入り込むことで人々は現実を忘れて楽しむことが出来るのだ。世界自体も異なるが、そこで共有されている世界観も現実とは異なる点がいくつもある。動物たちが二本足で立って会話するという本作の一番の魅力となる点についてはここでは触れないにしても、例えばプレイヤーだけがズボンをはいており、他の住民たちはズボンをはいておらず、それが当たり前であるという社会習慣が存在する。これは非常に奇妙な世界観だ。これ以外にも多くの興味深い世界観が存在するが、私が気になったのは貨幣についてだ。

 

「あつ森」の世界では、流通している貨幣量は無限だと思われる。プレイヤーは所持金を増やそうと思えば、株をやりとりするなどして際限無く増やすことが出来る。個人の財産が最初から無限にあるという訳ではないので、流通量を無限に増やすことができるということだ。古典派の貨幣数量説に従えば、貨幣量が上昇するとそれに比例して物価も上昇する。よく使用される式は、

 

  MV=PT

 

であり、Mが貨幣量、Pが物価水準を表している。Mが無限に上昇できるならばPも無限に上昇していくはずだ。しかし、「あつ森」世界ではインフレが起こっているとは思えない。ゲーム内に現れる様々な商品は基本的に価格は一定であり、季節、曜日、時間に左右されない(特殊な変化をするカブについてはここでは一旦置いておくことをお許し頂きたい)。

 

貨幣の大量発行によってインフレが起きることは第一次世界大戦後のドイツの例などで多くの人の常識となっていることだろう。しかし、「あつ森」世界ではたぬき商店でつりざおを1つ買うために財布に入りきらないほど大量の貨幣を運んで行かざるを得ないという状況には今のところなっていない。

 

これはなぜだろうか。現実社会とは異なる世界なのだから現実とは異なる仕組みがあって当然だと言えばそれまでだが、果たして本当にそうだろうか。私には「あつ森」世界の経済システムを考えることが、現実世界の資本主義経済システムを理解する手助けになるのではないかと思う。

 

そこでここでは「あつ森」世界の経済システムについて明らかにする。まず第1章で「あつ森」世界の経済と貨幣の基本についてその特色をまとめる。次に第2章で貨幣量と価格の問題を考えていきたい。

 

以下、順に説明していくに当たって注意しておきたい点が2つある。1つ目は、この点が最も重要なのだが、「あつもり」世界の住人は基本的には経済活動をする必要は必ずしもないという特殊な状況にいるということだ。それは現実世界の人間が生きるために必ず必要な「食べ物を食べる」という行為がゲーム内では必要ないからである。

 

2つ目は、他人の島に行き来するという行動をここでは考えないことである。本ゲームは現実世界の友人と通信することで他の島に行ったり来たりして、自分の島にはない果物や商品を手に入れることが出来る。しかし、これは現実世界の行動を含む必要があり、この点を考慮すると論が複雑になってしまうので、ここではプレイヤー一人だけ島の中での経済について考えたい。

 

1.「あつ森」世界の経済システム

「あつもり」世界における貨幣の性質

まず最初に「あつもり」世界の中で貨幣がどのような性質をもっているのか考える。

 

まず種類については通貨単位「ベル」で統一された1種類である。種類は1種類だが形状は2つある。すなわち1,000ベル未満だと金色のコインの形をとり、1,000ベル以上になると茶色の袋に入れられた形で現れる。金色のコインはDIYで作成することができないため、材質は不明である。形は円形で真ん中に星のマークが刻印されている。シンプルなデザインだ。現在流通しているのはこのコインの形であるが、過去に札の形で流通していた可能性がある。DIYで「マネーなゆか」が作れるのだが、その床は明らかに札の模様をしているのだ。しかし、札が見られるのは管見の限りこの「マネーなゆか」のみであり、現在は流通していないと思われる。また、ベルを材料として作れる商品はこの「マネーなゆか」のみである。現実社会では貨幣に加工を加えることは禁止されているが、「あつ森」世界では許容されているようだ(そもそも法律が見当たらない)。さらに、この「マネーなゆか」は50,000ベルを材料するが、たぬき商店では25,000ベルで売れる。このことから、ベルの素材としての価値は額面価値よりも低いのではないかと推測できる。

 

ベル以外に貨幣の機能を持っているものとしては、「ベルひきかえけん」と「したてやクーポン」、「ローランのひきかえけん」がある。「ベルひきかえけん」は500マイルで交換し、たぬき商店で売却することで3,000ベルに換えることができる。これがマイルからベルに換金する唯一の方法となっている。「したてやクーポン」はことのからもらうことが出来、エイブルシスターズの店で3,000円以内の商品と交換が出来る。性格としては商品券といったところだろう。ローランの引換券は買ったラグのサイズによって何枚かもらえるが、1枚では使用できず5枚セットで3,000ベル分のかべかゆかと交換できる。

 

次に、貨幣量について考えたい。「はじめに」で指摘した通り、流通している貨幣量は無限だと考えられる。貨幣を得る主な手段は魚、虫、海の幸をたぬき商店で売却することだが、その他にも金のなる木や岩を叩く行為、特定の風船を割ることによってお金を増やし続けることが出来る。たぬき商店で所持品を売却する際に商店側の貨幣準備不足によって売却できないという事態は未だに確認できていない。タヌポートの口座に預けることのできる上限額は未確認であり、個人の所持金に上限がある可能性はあるが、際限なくお金を生み出すことが出来るという点では無限に流通していると言える。また、「はじめに」でも書いた通り、最初期には所持金はゼロからスタートであるため、この状況は常に貨幣量が増加している状況と同じである。

 

「あつ森」世界における貨幣の流通

「あつ森」世界では貨幣はどのようなルートで流通しているのだろうか。島の内部には鋳造施設が見られないことから、他の島で発行した貨幣を大量に島に持ち込んでいると考えられる。

 

そこで、貨幣を持ち込む主体として考えられるのは、島外に行き来する人物・団体だろう。つまり、ドードーエアライン、レックス、ジャスティン、ローラン、シャンク、つねきち、レイジらである。大量の貨幣を輸送するのは航空よりも船舶のほうが適しているため、船で来島していることが確認できるつねきちは、特に多くの貨幣を船に積んで持ち込んでいる可能性がある。また、エイブルシスターズやたぬき商店でも貨幣による商品の売買が見られる。彼らの商品も島外から来ているだろうことを考えると、その際に貨幣も輸出入しているのではないだろうか。特にたぬき商店では取引される貨幣量が多いため、その輸入量も多いだろう。

 

住民の経済活動

次に「あつもり」世界の住人(プレイヤー以外の動物たち)がどのような経済活動をしているのかについて考察する。彼らの行動にはパターンあり、明らかに観測ができる経済活動に関しては次の3つを挙げることができる。

 

①プレイヤーとの物々交換

②プレイヤーに対する自分の所持品の売却

③プレイヤーに対する物品の買い取り

 

また、実際にその行動を観察することはできないが、従事している可能性が高い経済活動として次の行動が挙げられる。

 

エイブルシスターズやたぬき商店、空港での商品の購入や所持品の売却

 

以下、それぞれの行動について説明していく。

まず①については、基本的にプレイヤーが所持品を住人に対して贈与したときに発生する。ただし、価値の低い物や住民の好みに合わないものを贈与した場合には返礼がされないことがある。また、渡そうとしても受け取ってもらえない物として、貨幣と博物館に寄贈していない魚や昆虫などがある。魚や虫は渡そうとしても、博物館に寄贈するように勧められる。住民たちは魚や昆虫を島全体の財産として見ているようで、自身の良心によって受け取らないのである。また、貨幣に関しては筆者の島にいる住人、タケルの「悪いけど、コレは受け取れないぞー オイラ オマエから、おこづかいをもらう理由は ないからなー」という台詞からも分かるように、ただ彼の良心に従って受け取ろうとしない。他の商品は無条件に受け取ってくれることを考えると、彼らは貨幣を他の商品とは区別して特別視していることが分かる。例外として、「春節のお年玉」などのお年玉袋に包んで渡すことで貨幣を受け取ってもらうことが出来る。

 

次に②と③を合わせて説明する。これは悩みマークの出ている住人に話しかけた場合に起こる。住人が間違えて二つ買ってしまった物を売ってくれたり、プレイヤーの所持品を買い取りたいと言ってくる。多くの場合、相場とは異なる値段で売買してくれるようだ。プレイヤーに所持品を売る行動からは、住民が貨幣を必要としていることが分かる。収集趣味とも考えられないので、貨幣を得る目的は店で使用することだろう。住民が島内で貨幣を使用すると考えられる場所はエイブルシスターズやたぬき商店、メッセージカードの購入と限られている。メッセージカードを贈るには空港で購入する必要があるが、プレイヤーのもとにたまにメッセージカードが届くことから確実に購入していることが分かる。住民がエイブルシスターズやたぬき商店で商品を物色している様子は見られるが、実際に購入している姿はみることができない。しかし、以上の事実から彼らが店で商品を購入していることは確実だろう。

 

 さて、まだ第1章も書き切っていないが、既に4,000字を越えるほど長くなってしまったので続きは次回、明日にでも書きたいと思う。そこでは1章の続きとして住民の経済観、貨幣に価値を与えているものを考察した上で、2章で価格や貨幣量の問題について述べたい。

はてなブログが期末レポートに役立った

1週間ほど前にやっと大学の期末レポートが終わりました。

 

これから2ヶ月の春休みです。

 

ところで、レポートを書いている中で、ブログを書いていて良かったと思ったことがありました。

 

レポートの中で、以前に読んだ本の内容を引用することがあったのですが、前に読んだのは昔すぎて、何が書いてあったか覚えていないことが多かったのです。

 

そんなときにこのブログで書き貯めてきた書評を見返すことで、この本にはあれが書いてあったのか......と思い出すことが出来ました。

 

書評はもともと自分だけに分かるように自己満足で書いており、読者の方々への分かりやすさは軽視していたのですが、こんな所で役に立つとは思いませんでした。

 

今後のためにも読んだ本は出来るだけまとめておこうと思います。

レポートやばい

半年くらい、記事を全く書いてませんでした。投稿をサボっていた理由は特にありません。

 

長い間書いていなかったにも関わらず、アクセス回数はあまり変わらないようで驚きました。長い時間経っても読んでくれる方がいるのですね。

 

最近の私は学校の期末レポートに追われています。

 

そもそも授業は半期のものと通年のものがあります。つまり、年度の終わりには後期の授業+通年の授業のレポートがのしかかってくるのです。前期の倍以上はあります。

 

さらに今年はコロナの影響で本来はテストが実施されるはずだった授業もレポート評価に変わってしまいました。

 

課されたレポートの字数を全て足し合わせてしてみたところ、全部で23,000字でした!

 

さらに、課題は大体「○○字以上で」という縛りがあるので実際にはそれ以上になります。

 

卒業論文より多いです。

 

今日までに書き終わった分は10,000字。あと13,000字分頑張ります......