2020-04-01から1ヶ月間の記事一覧

網野善彦「日本の歴史をよみなおす(全)」

網野善彦「日本の歴史をよみなおす(全)」2005.ちくま学芸文庫のまとめを書いていく。 この本は前半に1991年に書かれた『日本の歴史をよみなおす』、後半に1996年に『続・日本の歴史をよみなおす』を収録している。前半は以前に読んだ『日本中世に何が起きた…

チェーホフ『桜の園』

チェーホフ1904『桜の園』の感想を書いていく。 『桜の園』はチェーホフの最後の作品である。 中心となる人物はラネーフスカヤ夫人。南ロシアの地主である。物語は彼女がフランスから5年ぶりに帰るところから始まる。 最初は時代の流れについて行けずに落ち…

「ゴーリキー短編集」

上田進、横田瑞恵訳編「ゴーリキー短編集」岩波文庫の感想を書いていきます。 収録されているのは「イゼルギリ婆さん」「チェルカッシ」「秋の一夜」「二十六人の男と一人の少女」「鷹の歌」「海つばめの歌」「零落者の群」の7編であり、ほとんどが1890年代…

網野善彦『日本中世に何が起きたか』

網野善彦2012『日本中世に何が起きたか』の感想とまとめを書いていきます。 「無縁」について 最初に自然と人間との境界について論じている。人間と自然との境界、言い換えると聖と俗を結びつける場所である。具体的に場所で言うと浜、浦、河原、中州、峠、…

若島正『ロリータ、ロリータ、ロリータ』

ナボコフ『ロリータ』の感想を以前書きました。 kyshami.hatenablog.com ここで言及した若島正『ロリータ、ロリータ、ロリータ』が手に入ったので、感想を書きたいと思います。 訳者である若島正さんがいくつかの場面に絞って解説している本です。私が思って…

ソルジェニーツィン「イワン・デニーソヴィチの一日」

ノーベル賞受賞作家ソルジェニーツィンの「イワン・デニーソヴィチの一日」の感想を書いていきます。 主人公のイワン・デニーソヴィチ、シューホフはラーゲルという牢獄で暮らしている。題名の通り、シューホフが起きてからよる寝るまでの一日のラーゲル暮ら…

休講中の大学

今日は授業料の免除申請をするために大学に行ってきました。 私の大学は5/6まで休講が決まっているので大学も閑散としているのかと思いきや、結構人がたくさんいてびっくりしました。 学生課みたいなところに行ったのですが、小さい部屋はたくさんの免除申請…

書評 ナボコフ『ロリータ』Part.2

前回の『ロリータ』の続き kyshami.hatenablog.com 前回、訳がすごいと書いたのだが、注釈では若島さんから我々読者に対していくつかの問題が提示されている。いくつかを解いてみたのでここに書きたい。 ビアズレーにいるときにハンバートがローの友達の何人…

書評 ナボコフ『ロリータ』

ナボコフ『ロリータ』の感想を書いていきます。 「ロリータ」はソ連の亡命作家ナボコフによって1953年に書かれた作品。その内容から大きなセンセーションを巻き起こした。 「ロリータ」という語はここから派生したものらしい。 ソ連作家の作品を読みたくて購…