「白紙」とは何か?
中学3年生のとき、高校受験に向けての模試を受ける機会がありました。
一科目解き終わって、時間が余っていたので見直しをしようと思ったのですが、その前にふと、最後の問題が書かれていたページにまだ続きがあったことに気づき、1ページめくってみました。そこには真っ白な紙に〈白紙〉とだけ書いてありました。
こんな感じです。(背景と同じ色だったので少し色を付けましたが、本当は真っ白です)
これを見たとき、こんな疑問が浮かびました。
これは果たして白紙なのだろうか?
確かに、「白紙」と書いてあるのでその紙は白紙なのかもしれませんが、「白紙」の厳密な定義は真っ白な紙でしょう。そうなると、その紙には黒いインクが「白紙」という文字になって印刷されているので、白紙ではありません。
こんなことを考え出してしまい、見直しをするどころではなくなってしまいました。
これを白紙だと言う根拠は「白紙」と書かれているから、という一点しかありません。しかし、この紙を日本語を全く知らない外国の方が見たらどうでしょう?絶対に白紙だとは思わず、「紙に何か日本語らしき文字が書かれている」と思うことでしょう。または、日本人でも、この紙を文字がぎりぎり読めないぐらいの遠くの距離から見たらどうでしょう?「なにか黒いシミがある紙」と認識するのではないでしょうか。白紙だとは思わないでしょう。
文字情報を認識できる人が見たときにだけ、その紙は「白紙」になるということでしょうか。
同じ紙でも見る人によって「白紙」なのかそうでないのかが変わるというのは、考えてみると面白いですね。それと同時に私は、紙もインクももったいないからこんなんわざわざ書くなよ、とも思いました。